転職で治験の仕事を目指すときの注意点

製薬会社が新薬を開発する際、治験と呼ばれる最終テストで人体への安全性や有効性を確認します。治験には、被験者と治験を実施する医療機関との間に入って治験に関する調整をする治験コーディネーターが欠かせません。治験コーディネーターは、特別な資格を求められることはありませんが、医療系の国家資格所有者や、医療機関での勤務経験がある人が就くことが多く、臨床検査技師や看護師の転職先として人気があります。

ただし、医療職が治験コーディネーターへ転職をする場合、各企業の治験の領域を確認することが大切です。なぜなら、治験を実施している医療機関の中には、治験実績が偏っている医療機関もあるからです。臨床検査技師や看護師などの医療職は、実務経験があると幅広い領域の治験に携わることができますが、応募先の企業の治験領域を確認せずに転職をしてしまうと、偏った治験の仕事しかできなくなってしまいます。治験コーディネーターとしてのキャリアアップに関心がなかったり、仕事内容に強いこだわりがなかったりする場合は、気にする必要はありませんが、幅広い活躍を希望する場合は、応募先の企業の治験内容をしっかりと確認するようにしてください。

それから、看護師が治験コーディネーターへ転職する場合は、収入が大きく減ってしまう可能性があるので注意が必要です。病棟で夜勤をバリバリこなしていた方は、基本給に夜勤手当がプラスされていたはずですが、治験の仕事には夜勤がない場合がほとんどです。看護師の実務経験があると資格手当はつくかもしれませんが、場合によっては給料が低くなる可能性もあるので、その確認もしっかりしておきましょう。